書誌情報 |
【著】濱田泰三 市川哲雄 |
ISBN 978-4-8160-1330-0 |
販売価格 6,000円(税込6,600円) |
■B5判 ■オールカラー ■128頁 ■2017年10月 |
高齢化が進展し、義歯を新しくしたくても、順応能力の低下や要介護、認知症など、 義歯製作に必ずしも協力的と限らない状況下で重要になる「慣れた」義歯。 これを基準に作成する複製義歯は、まさに患者目線に立った手法といえる。 従来の複製義歯の考え方や方法に、今後は主流になると思われる訪問診療の現場や、 デジタル化の部分を新たに書き加えた「複製義歯」のことがまるごとわかる1冊。 義歯研究の第一人者、村岡 秀明先生より推薦のコメントを頂きました。 「慣れた義歯こそ高齢者の求める義歯」まさに名言である。また「無歯顎臨床は考古学であり建築学である」という言葉もある。何もないところに、想像だけでその人に快適な家を建てるのは至難の業である。特に高齢者となるとなかなか新しい環境になじめない。とするならば、いま住んでいる家の状況を大切にしたほうが良いし、改善したいという本人からの情報も得やすい。これを義歯臨床に例えるならば、術者の一方的な思い込みで新義歯を作るのではなく、旧義歯を「複製し」新義歯製作に利用するのが良い。そのすべてが書かれた情報満載の本書『増補版 複製義歯』、熟読すべし。 村岡秀明 むらおか歯科・矯正歯科クリニック 院長(千葉県開業) |
目次 Ⅰ 患者の希望する義歯 1. 患者の希望する義歯とは Ⅱ 患者の不満と現義歯の診査 1. 現義歯をたたき台に 1 義歯の維持、安定の不足、不満 2 当たりがあって痛い(義歯性線維腫、褥瘡性潰瘍など) 3 かめない 4 話しにくい 5 感覚的な不満 6 審美性 7 その他 Ⅲ 口腔内外の診査 1. 床下粘膜 2. 筋と動き 3. 骨組織 4. 顎位 5. 顔貌 Ⅳ 現義歯の利用 1. 床の更新(リベース) 2. 床の一部更新(リライン) 3. 人工歯の更新 4. 咬合面再形成 5. 治療用義歯 6. 現義歯を印象用トレーとして使う 7. 現義歯の改造 1 現義歯をそのまま部分的に使用 2 形状の部分的活用 8. 複製するか否か Ⅴ 複製義歯の意義 Ⅵ 複製義歯の変遷 1. 歴史的変遷 その1(~ 1986 年) 2. 歴史的変遷 その2(1987 年~) Ⅶ 義歯の複製法 1. フラスクを用いる方法 1 現義歯をそのまま複製する場合 2 現義歯を新義歯作製のガイドとする場合 2. デジタル技術を用いる方法 1 複製義歯製作のためのデジタル技術とは 2 複製義歯製作のための印象をとるには 3 複製義歯の製作方法 4 デジタル技術で義歯を複製する長所と短所 5 デジタル技術での複製義歯の材料 6 製作時の精度 7 審美性 8 形態修正をするには Ⅷ 複製義歯を用いた義歯治療の実際 1. 複製義歯の多様性 2. スペアー義歯としての活用 3. 暫間義歯としての活用 4. 治療用義歯から最終義歯への活用 1 治療用義歯をそのまま引き続き使えない理由 2 治療用義歯をそのまま新義歯に置換しなくてはならないか 5. 義歯製作のためのトレー、バイトリム、ガイドなど 1 義歯製作の実際例 6. 部分床義歯としての応用 7. 顎補綴における応用 8. 義歯をもたない無歯顎患者 1 教科書的に平均値を参考に作製 2 追加補綴、補修による仮義歯 3 即日、仮義歯を製作 4 義歯作製のメリットとデメリット Ⅸ 訪問歯科診療における複製義歯の活用 1. 訪問歯科診療の重要性 2. 訪問歯科診療の実際 3. 訪問歯科診療における義歯治療 4. 複製義歯による製作法の活用 Ⅹ 複製義歯のメインテナンス 1. 用途に応じたメインテナンス |