書誌情報 |
【編集】秋房住郎 久保山裕子 髙野ひろみ |
ISBN 978-4-8160-1288-4 |
販売価格 2,500円(税込2,750円) |
■B5判 ■2色 ■64頁 ■2015年3月 |
●要介護者、高齢者の「楽しく食べたい」を実現させるための1冊。 ●介護の現場で実際に出合った症例を口腔機能の障害別に分類。知りたい症例がすぐに見つけられる。 ●頻度の高い23症例を厳選(要介護度1~5、麻痺、糖尿病、高血圧、パーキンソン病、胃瘻、几帳面、気難しい等)具体例を見ながら個別指導のヒントが得られる。 ●日常の介護業務の疑問点に答えるためのQ&Aも掲載。 ●臨床を通じて蓄積してきた豊富な事例が満載。 ●介護の現場ですぐに役立つテクニックとアセスメントが理解できる。 |
目次 第1章 口腔機能向上の考え方 |
序── 改訂版 高齢化が進展する中、我が国の社会保障制度を持続可能なものとするため、国民が公助・互助のもと、自助・自立できるような環境を整備することを基本方針とする「持続可能な社会保障制度の確立を図るための改革の推進に関する法律」が平成24年に制定されました。これを受け、「地域における医療及び介護の総合的な確保を推進するための関係法律の整備等に関する法律」が制定され、医療法関係は平成26年10月、介護保険法関係は平成27年4月以降順次施行されることとなりました。 この法律の介護保険関連では、地域包括ケアシステムの構築の推進と、費用負担の公平化(ないしはペイアズユーゴーの原則)が掲げられており、平成27年度の介護保険制度改正の柱である当該内容は、平成18年以来の大きな改正点となっています。特に、在宅における医療・介護連携を推進する地域支援事業の充実の一環として、これまで全国一律であった予防給付のうち、訪問介護と通所介護を地域支援事業に移行し、各市町村の実情に合わせて多様化させることになりました。また、特別養護老人ホームの機能を再定義して、在宅での生活が困難な中重度の要介護者(主に要介護度3以上)を支える機能に重点化することになりました。 つまり、要介護認定者のうち、増加率の高い軽度要介護者について、要支援者相当部分では介護予防サービスから市町村を中心とする地域包括ケアシステムへ、また要介護度1、2相当部分では居宅サービスへの移行を強化することで、社会保障費支出の適正化を図ろうとするものです。 厚生労働省は数年前から、団塊の世代が65歳以上になる平成27年を強く意識し、「2015年問題」として位置づけ、年金給付人口の増大に伴う財政への影響とともに、介護保険制度およびその運用に与える影響を指摘してきました。そして、この団塊の世代が後期高齢者となる2025年までの10年間で、地域ケア会議の設置、生活支援コーディネーターの配置、地域リハビリテーション支援事業の創設など、地域包括ケアシステムを強力に推進する体制の構築を図っています。当該システムでは、介護予防や健康関連事業、医療と介護の連携強化以外に、互助・公助(いわゆる参加型社会保障)を推進する基盤として、ボランティアの活用やコミュニティービジネスの推進など、従来の介護・医療施策の枠外の事業も組み込まれていることから、保険者である市町村には、地域の社会資源を複合的に組み込んだ事業展開が望まれています。 このような背景のもと、口腔機能向上などの介護予防事業は、単独事業の形態ではなく、総合事業の中で展開することになります。介護予防事業は、住み慣れた地域で自分らしい暮らしを人生の最後まで続けることができるよう支援することが目的であることを再認識して、心身機能に対する支援だけでなく、活動、参加に対する支援を内包した、対象者の生活機能すべてを考慮した事業内容がこれまで以上に求められます。 この事例集で、対象者の生活背景に寄り添ったサービスの提供が広く展開されるための一助となれば幸いです。 2015年3月 秋房住郎 |